米粉パンの研究を始めた頃
2006年に、自分は米粉パンの研究を始めた。
自分から米粉パンの研究を始めたいと言ったわけでなく、研究プロジェクトの関係で他の数人とともに米粉の研究を始めるように言われたのである。
最初はとまどったが、結果的にはよかったとは思う。
それまでは米のデンプンについて研究していたので、米について多少は勉強をしていた。しかし、米粉についてはほとんど知らなかった。研究室の人もあまり詳しくはなく、米粉の研究をしている人は当時いなかった。
パン作りなど、ずっと昔に母親の手伝いをしたくらいの経験しかない。
どうやって研究を進めていくのか、はじめの段階ではけっこう不安を感じていたのを覚えている。
当初、パン作りはホームベーカリーを使うことを考えていた。
料理も下手な自分がパン作りをするなんてできるわけがないと思ったからだ。
とりあえず近くのお店で上新粉を買ってきて、活性グルテンをもらってきて混ぜて焼いてみた。
そしたら、下のように案外うまくいった。
ところが、自分で製粉した米粉を使って同じように作ってみると、全く別物ができてしまった。
見事なくらいにつぶれている。
今となってはなぜこんな変なパンとなったのかよく分かるが、当時はなぜこうなってしまうのか分からず、けっこう悩むことになった。