長野県の稲作は日本一
各都道府県の稲の単収を調べてみた。
順位 | 都道府県名 | 単収(kg/10a) |
1 | 長野 | 621 |
2 | 山形 | 595 |
3 | 青森 | 586 |
4 | 秋田 | 573 |
5 | 山梨 | 547 |
6 | 福島 | 542 |
7 | 北海道 | 541 |
8 | 新潟 | 541 |
9 | 栃木 | 540 |
10 | 富山 | 539 |
これは、政府統計の総合窓口(e-stat)の中にある作物統計調査-作況調査(水陸稲、麦類、豆類、かんしょ、飼肥料作物、工芸農作物)-平成28年産作物統計(普通作物・飼料作物・工芸農作物)より水稲の項目をダウンロードし、2016年産米の10a当たり平均収量の都道府県別のランキングをしたものです。
稲は南方の作物なのに、長野県が1位で、山形県が2位、青森県が3位とかとなっていて、どちらかというと北の方にある県が上位となっていた。
いつ頃から長野県が1位なのかを知りたいと思い、平年収量の変遷を見てみたのが以下の図である。
これは、e-statの作物統計-作況調査-長期累年より、それぞれのデータをグラフにしたもの。
同じ統計で実際の単収もグラフ化してみたのは下の図である。
いくつかの県では1980年代頃から単収が伸びていないのに対し、長野県はほぼ一貫して単収が伸びている。
1970~1980年代は他の県に抜かれていたようだが、1990年代後半からはほぼ1位となっていた。
なぜ長野県の単収が多いのかが気になって調べてみたら、水稲の収量構成要素の統計なんてものが見つかったので、長野県の特徴をまとめてみたのが下の表となる。
項目 | 長野県の順位 | 1位の都道府県 |
1㎡当たり株数 | 6位 | 北海道 |
1株当たり有効穂数 | 17位 | 熊本県 |
1㎡当たり有効穂数 | 7位 | 北海道 |
1穂当たりもみ数 | 22位 | 栃木県 |
1㎡当たり全もみ数 | 3位 | 北海道 |
千もみ当たり収量 | 2位 | 鳥取県 |
粗玄米粒数歩合 | 2位 | 新潟県 |
玄米粒数歩合 | 13位 | 石川県 |
玄米千粒重 | 16位 | 岐阜県 |
10a当たり粗玄米重 | 1位 | 長野県 |
玄米重歩合 | 20位 | 岩手県 |
10a当たり玄米重 | 1位 | 長野県 |
これは、作物統計-作況調査(水陸稲、麦類、豆類、かんしょ、飼肥料作物、工芸農作物)-平成28年産作物統計(普通作物・飼料作物・工芸農作物)より、「水稲の収量構成要素(水稲作況標本筆調査成績)(全国農業地域別・都道府県別)」をダウンロードしてランキングをつけたものです。
自分にとっては意外なことに、株数や穂数などの要素で、長野県が1位であるものは一つもなかった。
収量の構成要素のいずれもが優れていることが、結果として単収1位になったものと自分は解釈した。
長野県の知り合いに聞いてみたところ、気象条件で以下のような要因があることを教えてもらった。
・夜温が低く、稲の消耗が抑えられる
・夏季の降水量が少ない
・台風の襲来が少ない
・低湿度のため、いもち病などの病害発生が少ない
そうなると、北の方にある地域の方が相対的に有利となるということとなるだろう。
将来、温暖化が進むようなことがあれば、梅雨も無い北海道が単収日本一になる日が来るのかもしれないかとも思ったりもした。