米の単収の安定性
以前にコムギの研究者から、コムギはイネと違って収量がすごく変動するという話を聞いた。
米粉についての文章を書くときに、このことが書けないかと思って少し調べてみることにした。
政府統計の総合窓口に作物統計のページがあり、現時点(2014年11月)では2012年の作物統計のページに最新のデータがあるようであった。
全国累年統計表から、コムギとイネ、ついでにオオムギとサツマイモの1975年から2012年までの収量データをまとめてみた。
そうしたところ、下の図のようになった。
収量からカロリーへの計算には、食品成分表のデータを用いている。
1975年を最初にしたのは、自分が生まれた年だからである。
ばらつきを見やすくするために、1990年の値を100に換算した収量をグラフ化したのが以下の図である。1990年を基準に選んだ特段の理由はない。
これらの図から、コムギやオオムギはよりばらついているようにも見える。
変動係数(標準偏差÷平均値)を求めてみると、以下のようになり、今回調べた作物では、コムギの数値が最も高かった。
コメ:0.08
サツマイモ:0.08
オオムギ:0.11
コムギ:0.14
単収のばらつきを表現するのに変動係数が適切かどうかは議論の余地があるかとは思うが、コメは比較的収量の変動が少ない作物であることが示せたかと思う。
サツマイモは収量に優れていることは以前から知っていたが、変動も少ないことは今回調べてみて初めて分かった。
イモってのはすごい作物である。