零細米粉研究員の備忘録

米粉に関することなどをたまに書いていきます

食料自給率を1%上げるために必要な米の量は?

米粉パンについての文章を書いていて、「米粉の消費拡大による食料自給率の向上が期待される」なんていう文章を書いていた。
その時にふと思ったのは、米の消費量が増加により、どれくらい自給率が上がるのか自分が知らないことである。
そこで、米粉の消費量がどれくらい増えれば、食料自給率が1%分上がるのかを計算してみた。

 

農林水産省の「食料自給率とは」のページによると、カロリーベースの食料自給率の計算に用いる、1人1日当たり供給熱量は2424kcalとなっている。

食料自給率1%となると、24.24kcalとなる。

自分の持っている食品成分表(五訂増補食品成分表2009、p18)によると、1グラムの精白米のカロリーは3.55 kcal、上新粉は3.62 kcalであった。

米粉パン用米粉のカロリーは、その製法上新粉とあまり変わらないことからカロリーも同様と考えて、3.62 kcalとする。

そうすると、食料自給率1%に相当する米粉の量は24.24 ÷ 3.62 ≒ 6.69 gである。

総務省統計局の人口推計のページによると、平成26年11月1日の人口(概算値)は1億2708万人であるらしい。

 

これから、1年間、日本国民全体の量を計算すると、

6.69(g/日・人) × 365日 × 1億2708万人 ≒ 31万1千トンとなる。

つまり、米粉の消費量が31万1千トン増加すれば、食料自給率1%向上することとなる。


米粉の利用推進のページによると、米粉用米の生産量は平成25年は約2万1千トンであることから(4ページ目)、15倍近くの値である。

米粉だけで食料自給率を1%上げるのもかなり困難なことである。