米粉の種類
米粉と言っても、数多くの種類がある。大きく分けると、粳(うるち)米を使うか糯(もち)米を使うか、加熱した米を使うか非加熱かである。なお、粳米は普通の米で、糯米はお餅を作るのに必要な米のことである。
ざっと分けると、以下のようになり、米粉パン用の米粉は、上新粉や上用粉と同じグループ(粳米・非加熱製粉)になる。
同じグループでもそれぞれの製粉方法は多少異なり、粉の性質も異なる。
米粉パン用の米粉は上新粉より細かく、上用粉よりもやや細かめとなっている。それ以外にも、米粉パン用の米粉は、損傷デンプンというものが低いことが特徴である。損傷デンプンとは、デンプンの粒が熱や機械的衝撃によって傷ついたり割れたりしたものである。詳しくはそのうち書くかもしれない。
米粉パンの研究を始めた頃は、米粉について様々な種類があることは知っていたが、詳しい特徴についてよく分かっていなかった。上新粉と上用粉の違いも分かってなかったりした(上用粉の方が細かい)。関東と関西での呼び方の違いかと思っていた。
同じ名前の米粉でも、性質はかなり異なる。Arakiらの報告(https://www.jstage.jst.go.jp/article/fstr/15/4/15_4_439/_article)によると、上新粉でも平均粒径が39.9μm~115.9μmの違いがある(2ページ目の表1)。
規格はどうなっているのか、農水省の知り合いを通じて聞いてみたのだが、どうやら粒度の規格はないそうである。粗さ、細かさの規定はないというのは驚きであった。